建設業者にとって、事業の適法性と信用力を高めるために不可欠なのが「建設業許可」です。
この許可を取得・維持するためには、法律で定められた要件を満たすだけでなく、各種の手数料や税金を納める必要があります。
しかし、建設業許可の手続きは、新規申請、更新、業種追加など、申請区分や許可の種類(大臣許可・知事許可、一般・特定)によって必要な費用が細かく異なり、非常に複雑です。
本記事では、建設業許可申請・更新にかかる公的な手数料(登録免許税・許可手数料)を申請区分ごとに分かりやすく整理し、さらに専門家である行政書士に依頼した場合の報酬の目安についても詳しく解説します。
Table of Contents
Toggle1. 建設業許可申請にかかる公的手数料の基本構造
建設業許可の申請にかかる費用は、主に以下の2種類に分けられます。
- 登録免許税:国土交通大臣許可を新規で申請する場合に国に納める税金。
- 許可手数料:知事許可の申請、または大臣許可・知事許可の更新や業種追加の際に、都道府県または国に納める費用。納付方法は、都道府県の収入証紙(知事許可の場合)や収入印紙(大臣許可の一部、知事許可の一部)が一般的です。
この公的手数料の金額は、申請の区分(新規・更新・業種追加など)と、許可の区分(大臣許可・知事許可)によって定められています。
2. 【区分別】公的な申請手数料・登録免許税一覧
建設業許可の申請・更新で最も多く発生する公的手数料(令和7年10月現在)を、主要な申請区分ごとにまとめました。
| 申請区分 | 許可の種類 | 公的手数料(税金・手数料) | 納付方法(原則) | 備考 |
| 新規許可 | 知事許可 | 9万円(許可手数料) | 都道府県の収入証紙など | 一般建設業・特定建設業いずれも同額 |
| 新規許可 | 大臣許可 | 15万円(登録免許税) | 税務署宛に現金で納付 | 一般建設業・特定建設業いずれも同額 |
| 更新 | 知事許可・大臣許可 | 5万円(許可手数料) | 収入証紙または収入印紙 | 5年ごとの更新手続き |
| 業種追加 | 知事許可・大臣許可 | 5万円(許可手数料) | 収入証紙または収入印紙 | 既に許可を受けている業種に追加する場合 |
| 般特新規 | 知事許可 | 9万円(許可手数料) | 都道府県の収入証紙など | 一般から特定へ、または特定から一般へ移行する場合 |
| 許可換え新規 | 知事許可から大臣許可など | 大臣許可の場合は15万円(登録免許税) | 上記新規許可に準ずる | 許可行政庁が変わる場合の新規申請 |
複雑な「複合申請」の手数料
複数の申請を同時に行う場合、手数料は原則としてそれぞれの申請区分の手数料を合算します。
| 複合申請の具体例 | 知事許可の場合の合計手数料(許可手数料) | 大臣許可の場合の合計手数料(登録免許税・手数料) |
| 更新 + 業種追加 | 5万円 + 5万円 = 10万円 | 5万円 + 5万円 = 10万円 |
| 新規 + 般特新規 | 9万円 + 9万円 = 18万円 | 15万円 + 15万円 = 30万円 |
| 般特新規 + 更新 | 9万円 + 5万円 = 14万円 | 15万円 + 5万円 = 20万円 |
【注意】 上記は最も一般的なケースの合算例です。都道府県によっては、複合申請に対する独自の合算ルールを設けている場合があります。申請先となる行政庁に必ず確認が必要です。
3. その他の法定費用・実費
上記の公的手数料以外にも、建設業許可申請の際には以下の費用(実費)が発生します。
| 費用項目 | 内容 | 目安金額 | 備考 |
| 登記事項証明書 | 法人の履歴事項全部証明書など | 1通 600円程度 | 申請書に添付が必要な場合 |
| 納税証明書 | 法人事業税・法人住民税などの証明書 | 1通 400円程度 | 都道府県・市町村により異なる |
| 身分証明書・登記されていないことの証明書 | 役員等の欠格事由確認のため | 1通 300円程度 | 本籍地の役所・法務局で取得 |
| 残高証明書 | 財産的基礎の確認書類(新規・特定許可など) | 1通 800円程度 | 金融機関により異なる |
これらの実費は、申請者がご自身で書類を取得する場合に必要となる費用です。
申請に必要な添付書類の数や種類によって総額は変動しますが、概ね数千円から1万円程度を見ておく必要があります。
4. 行政書士に依頼した場合の「報酬」の目安
建設業許可申請は膨大な量の書類作成と要件確認を伴うため、多くの事業者が専門家である行政書士に代行を依頼します。この場合、上記の公的手数料や実費に加えて、「行政書士への報酬」が発生します。
行政書士の報酬は、業務の難易度や地域、事務所の方針によって大きく異なりますが、一般的な報酬の目安は以下の通りです。
申請区分ごとの報酬目安
| 申請区分 | 許可の種類 | 行政書士報酬の目安(概算) |
| 新規許可 | 知事許可(一般) | 10万円 〜 20万円程度 |
| 新規許可 | 大臣許可(一般) | 15万円 〜 30万円程度 |
| 更新 | 知事許可・大臣許可 | 5万円 〜 10万円程度 |
| 業種追加 | 知事許可・大臣許可 | 7万円 〜 12万円程度 |
| 経管・専技変更届 | 許可の種類問わず | 3万円 〜 5万円程度 |
| 決算変更届 | 許可の種類問わず | 3万円 〜 6万円程度(1期分) |
【注意点】
- 特定建設業や、複雑な要件確認が必要なケース(例:専任技術者を実務経験で証明する場合)は、上記目安より報酬が高くなる傾向があります。
- 上記の報酬は、公的手数料、登録免許税、実費とは別に発生する費用です。
- 行政書士の報酬には消費税が別途加算されます。
行政書士活用の最大のメリット
行政書士に依頼する費用を惜しまない最大のメリットは、「確実性」と「時間節約」です。
- 確実性: 建設業許可の要件は複雑で厳格です。行政書士は最新の法令や行政の指導基準を熟知しており、申請がスムーズに受理されるよう、ミスのない書類作成と万全の体制を整えます。不許可のリスクを最小限に抑えることができます。
- 時間節約: 許可申請に必要な書類は数十点にも及び、すべてを事業主様ご自身で収集・作成するには膨大な時間と労力を要します。行政書士に依頼することで、事業主様は本業である建設工事に専念することができます。
5. まとめ
建設業許可の取得・維持に必要な費用は、以下の3つの要素で構成されています。
- 公的手数料・登録免許税: 申請区分(新規9万円〜15万円、更新・業種追加5万円など)により法定された費用。
- 実費: 添付書類(証明書など)の取得費用。
- 行政書士報酬(依頼した場合): 申請業務を代行してもらうための費用。
新規許可の場合は、公的手数料に加えて行政書士報酬(10万円〜30万円程度)を合算した金額が、準備すべき総額の目安となります。
費用を正確に把握し、無駄のない準備を進めるためにも、建設業許可を専門とする行政書士にご相談いただくことを強くお勧めいたします。専門家による事前相談と見積もりの活用が、スムーズな許可取得への第一歩となるでしょう。
当事務所では、建設業許可申請に関する無料相談を受け付けております。御社の状況をお伺いした上で、最適な申請プランと正確な費用(公的手数料+報酬)の見積もりを提示させていただきます。
「新規申請の要件を満たしているか知りたい」「業種追加の費用を詳しく知りたい」など、どのようなご質問でもお気軽にお問い合わせください。






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