建設業者が知るべき法令違反事例と行政処分リスク
建設業者の不正行為と処分事例について
こんにちは。大阪府茨木市のアルバトロス行政書士事務所です。
私たちの生活を支えるインフラや建物を築く建設業は、社会にとって不可欠な産業です。
だからこそ、法令を遵守し、公正かつ健全に事業を運営することが求められます。
しかし、中には法令違反を犯してしまい、厳しい処分を受ける事業者が後を絶ちません。
「知らなかった」では済まされないのが、行政処分の世界です。
一度、行政処分を受けてしまうと、事業の存続そのものが危うくなるだけでなく、社会的な信用を失い、再起不能に陥るケースも少なくありません。
不正行為となる代表的な事例をもとにした短い記事となってます。
最後までお付き合いください。
事例で学ぶ!建設業者の主な処分事例
1. 一括下請負(丸投げ)の禁止違反
建設業法では、元請け業者が請け負った工事の全てを、自らは施工せずに、他の業者に下請けさせること(一括下請負、いわゆる丸投げ)を原則として禁止しています。
これは、建設業者が法令遵守を怠った際に頻繁に発生し、かつ発注者や下請け業者に大きな影響を与える不正行為の一つです。
なぜ丸投げが禁止されているのか:
- 施工責任の所在が曖昧になる: 丸投げされた工事では、元請け業者が工事の実態を把握しきれず、責任の所在が不明確になります。手抜き工事や事故が発生した場合に、迅速かつ適切な対応が取れず、発注者に損害を与えるリスクが高まります。
- 中間搾取による下請け業者の利益圧迫: 元請け業者が、実質的な作業をせず、請負金額から中間マージンを抜くだけで利益を得る構造は、下請け業者の正当な利益を不当に圧迫します。その結果、下請け業者がコスト削減のために手抜き工事に走ったり、技術者の賃金が不当に抑えられたりするなど、業界全体の健全性が損なわれます。
- 工事の品質低下: 元請け業者が自社の技術力で工事を管理・監督することが難しくなり、品質管理がずさんになるリスクが高まります。
よくある丸投げの事例:
- 元請け業者が、請け負った建築工事の設計から施工まで全てを、特定のグループ会社や下請け業者に一括で発注する。
- 公共工事において、元請け業者が工事現場に自社の技術者を配置せず、実質的に下請け業者に全ての施工を任せる。
処分内容:
一括下請負が確認された場合、元請け業者には15日以上の営業停止処分の規定があります。
ただ、建設工事を他の建設業者から一括請負した建設業者に酌量すべき情状がある場合には、営業停止の期間について必要な軽減を行うことになっています。
2. 不正な手段による建設業許可取得(不正許可)
許可要件を満たしていないにもかかわらず、虚偽の書類を作成して許可を申請・取得する行為です。
よくある不正事例:
- 経営業務の管理責任者の要件偽装:
- 実際には経営経験がないにもかかわらず、会社役員としての在籍期間を偽ったり、他社の役員の経験を虚偽に記載する。
- 経営業務の管理責任者として申請した人物が、実際には他社でフルタイム勤務しているなど、実態と異なる申請をする。
- 営業所技術者の要件偽装:
- 国家資格(建築士、施工管理技士など)の合格証明書や実務経験証明書を偽造する。
- 技術者として申請した人物が、他の会社の社員であったり、既に退職しているなど、虚偽の情報を記載する。中には架空の人物を営業所技術者として錬成してるケースも、、、
処分内容:
これらの不正が発覚した場合、6カ月以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金となるケースもあります。
3. 建設業許可のない業種での営業(無許可営業)
建設業の許可は、29の業種ごとに取得する必要があります。
軽微な工事(請負金額の合計が500万円未満など)を除き、許可を持たない業種の工事を請け負うことは法律違反です。
よくある無許可営業の事例:
- 「土木一式工事」の許可しか持っていない業者が、請負金額1,000万円の「とび・土工工事」を単独で請け負う。
- 「建築一式工事」の許可しか持っていない業者が、請負金額800万円の「電気工事」を単独で請け負う。
- 「管工事」の許可しか持っていない業者が、「機械器具設置工事」を請け負う。
処分内容:
無許可営業が発覚した場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金という刑事罰も規定されております。
まとめ:公正な事業運営が未来を拓く
建設業許可は、単なる紙切れではありません。それは、「私たちは法令を遵守し、社会の信頼に応える健全な事業者である」という証明です。
今回ご紹介した事例は、ほんの一部にすぎません。他にも多岐にわたる不正行為が存在します。
もし、ご自身の事業運営に関して少しでも不安な点がある場合は、迷わず専門家である行政書士にご相談ください。
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